家の「郵便受け」の状態は驚くほど正直にその家の住人の「心の状態」を映し出します。もしあなたの家の郵便受けが新聞やチラシ、封筒で常にパンパンに膨れ上がっているとしたら。それはあなたの生活がゴミ屋敷化への危険な坂道を下り始めていることを示す分かりやすい前兆かもしれません。なぜ郵便受けの状態がそれほどまでに重要なサインとなるのでしょうか。それは郵便物を処理するという行為が日々の生活を律するための基本的なタスクの一つだからです。毎日あるいは数日おきに郵便受けを確認し中身を取り出し必要な物と不要な物を仕分け不要な物は処分する。この一連の作業には「計画性(郵便受けを定期的に確認する)」「判断力(要・不要を仕分ける)」「実行力(不要な物を捨てる)」といった社会生活を営む上で不可欠な認知機能が関わっています。郵便物が溜まっているということはこれらの機能のいずれかあるいは複数が低下し始めていることを示唆しているのです。例えば仕事のストレスや心身の疲労が蓄積すると、家に帰ってきてから郵便受けを確認するというほんの些細な行為すらも億劫に感じられるようになります。「後で見よう」という先延ばしが郵便物の山を築き上げていきます。またうつ病などで意欲や関心が著しく低下している場合、外部からの情報つまり郵便物そのものに全く興味を持てなくなってしまいます。重要な通知や請求書が届いていてもそれを開封する気力すら湧かないのです。さらに認知症が進行すると郵便物という概念そのものを理解できなくなったり自分宛てのものであると認識できなくなったりすることもあります。このように郵便受けは単なる手紙の入れ物ではありません。それは住人の社会との繋がりや生活を管理する能力を測る非常に分かりやすい「バロメーター」なのです。もしあなたの家の郵便受けが常に溢れかえっているなら。それは生活の乱れの最初のそして最も見過ごしてはならない危険信号なのです。
郵便受けは心のバロメーター!ゴミ屋敷の前兆